確かに。
その通りですよ。
否定もできません。
分かり切っている。
当たり前のことを言われて怒れるか。
怒りよりもグサッと突き刺さったトゲが抜けない。
が。
私は負けず嫌いだ。
なぜ、私が落ち込まねばならぬのだ。
見ておれ。
ここからが本番じゃ。
と、立ち直ったら復讐の声が聞こえた。
殺人百科を身につけた凄い男が復讐のページを開く!狂犬、模型飛行機、熱湯風呂とありとあらゆる手段で殺人を犯し、復讐を敢行する主人公。その裏に潜む13年前に仕組まれたドス黒い罠に挑むミステリードラマ。本作で銀幕デビューとなる原田芳雄が復讐に燃える男を熱演。
原作は石原慎太郎の『青い殺人者』。
石原慎太郎が作家議員として初めて自ら脚本した作品。
どうも今見ると2時間サスペンスくらいの感じにしか見えない。
淡々と殺していく復讐者。
これがデビュー作とは思えないフレッシュさゼロの原田芳雄。
このハードボイルド、淡泊すぎる。
当時の印象としてはどうだったのだろう。
ラストの決闘シーンと金魚だけが妙に印象に残る。
ちょっと不思議な復讐劇。
殺って殺って殺りまくる。
予想以上にターゲットが多すぎて、ただ数をこなしていくように見えてしまう。
流れ作業の工場みたい。
憎しみや悲しみのドラマが足りな過ぎて感情移入しにくい。
途中まで、実はロボットですみたいなSF的展開もありうるのかと疑った。
単調な殺人。
緊張感に欠ける展開。
ほぼ無表情で殺人をこなしていく様は、職人並み。
しかもバラエティには富んでいる。
ハイスピードで進んでいくのは、きっと時間がなくて急いでたんでしょうね...
復讐への野心は本当に燃え盛っていたのか。
その冷静さはなんだ。
そんな得体の知れない気味悪さがある。
それは狙っていたのか、ただのズレだったのかは私には分からなかったのです。
野暮ったいラスト。
不自然に長くリアルな格闘。
人の殴り合いを見てあくびが出たという驚き。
どこでもいいから、ガツンとキラッとできなかったものか。
あの金魚に私は何を思えばいいのか.....
ただ、トランプを置いていくところは好きです。
復讐した後にはトランプを。
なるほど。
勉強になりますね。
おまけ
ちぶ~的殺人度4
結構過激なストーリー。容赦なく殺していくあたりはハッキリしていて悪くない。もっと感情のある主人公に仕上げていたらと......もったいなく思う。