この人員不足は、連続殺人事件に似ている。
しかも犯人は分かっている。
「あれ、殺しや...」と分かっていても誰も何もできない。
権力に握りつぶされ誰も犯人を捕まえることができない。
その人がロックオンするとほとんどの人が何か月か後にはやめていくという....
そしてきっと誰もいなくなる。
そんな日が近い気がする。
.......こわぇ。
解説.....
藤原審爾の原作『前夜』を映画化。市川雷蔵がクールな殺し屋を演じ、続編「ある殺し屋の鍵」も制作された。一杯飲み屋“菊の家”の店主・塩沢は、どんな困難な殺人も針一本でやってのける殺し屋だった。ある日、無銭飲食でつかまりそうになった圭子を助けたことから、彼女は塩沢の店に住み込みで働き始める。暴力団の木村組から、敵対する組織のボス殺しを依頼された塩沢は、二千万円でその仕事を引き受け、見事に仕事を成功させた。塩沢の仕事ぶりに惚れ込んだ木村組幹部の前田は、塩沢に弟子入りを頼むが断られてしまう。
市川雷蔵様の現代劇を初鑑賞。
新鮮さにまた歓喜。
まさに絵になる男がスクリーンで生きている。
なぜ昔の邦画はこんなにもかっこいいのか。
俳優がスターだった時代。
圧倒的な存在感にシビレるしかない。
え。
なんで。
なんでこんなにかっこいいの。
と、冒頭のOPの色使いから引き込まれる。
一つも余計なものがない。
計算され尽くしたセンスがまぶしいと同時にうらやましい。
この時代の映画で育ったら私の映画人生はもっと違うものになっていたのではないだろうかと眼球に力が入った。
市川雷蔵演じる塩沢のキャラがまた最高にカッチョイイのである。
きっちり分けた七三分けがこんなにも似合う人は他にいないだろう。
サングラスにタバコをふかす。
さらっと着こなしたロングコートから哀愁が香る。
殺人は針一本で。
ってどんだけオシャレなんすか。
....そ、そんな馬鹿な
と三度見するその華麗な殺人技に酔う。
多分A型なのであろう完璧主義。
綿密な計画と同時に行き来する時間。
繰り広げられる心理戦。
知性も兼ね備えた色気にぽ~っとなる。
またまた私は、雷蔵様にお熱です。
男の真の目的は何か。
金か。
名誉か。
復讐か。
漂わせたミステリアスに誘われる。
揺るぎない信念が熱い。
どこにも属さず留まらない男。
本物の男は語らない。
そこにまたグッときてしまうのが女の愚かなところです。
ちぶ~的懐かしアイテム度5
寿司折を買ってくるシーンが妙に印象的。新聞紙に包んで持って帰るところを見て自分の小さいころを思い出した。新しさと懐かしさが混在するこの世界はとても心地がいい。