今までつぶやかなかった人をつぶやかせた映画。
それが「アマデウス」。
昨日まで秋田の週末名画座シネマパレ で上映。
3時間という傑作にどうも足が重かったが、そのつぶやきを読んで決心。
飲んだ次の日だったのに、すんなり早起きできたのは神のおぼしめしか。
冒頭から鳴り響く音楽に一気にヤラれる。
今まで見ていなかったことが恥ずかしくなった。
言葉だけでは追いつかないからどうしよう...
有り余るほど与えられた衝撃。
「アマデウス ディレクターズ・カット」が3時間もあったなんて信じられないくらいあっという間でした。
解説....
1823年11月のある晩、ウィーンの街でひとりの老人が発狂して自殺を図り、病院へ運ばれた。この老人は、かつてウィーンで最も尊敬された宮廷音楽家、アントニオ・サリエリ。数週間後、サリエリの告白を聞くために若年の神父・フォーグラーが病室を訪れた。やがて、サリエリの回想が始まった…。イタリアに生まれたサリエリは、作曲家として優れた才能を持っていた。やがて音楽の都ウィーンへ赴き、皇帝ヨーゼフ2世付きの宮廷音楽家になった。そんな順調なサリエリの人生も、天才ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトに出会ったことで狂わされていく…。
天才と凡才。
人は生まれながらにして平等ではない。
才能と努力。
生まれながらに与えられるもの。
努力しても決しても越えることができない神の領域が存在する。
人間は聖人ではない。
"不平等”が人を狂わせる。
嫉妬が才能を蝕んでいく。
映画史に残る音楽と歌声。
芸術作品ともいえる衣装の数々。
私は、また本物の名画を知ってしまった。
冒頭からバァ~~ンと鳴り響く音楽。
もうそこで、すでに映画に支配される。
頭がグワングワンして止まらない。
悲劇的な運命を象徴しているかのような壮大なスケール。
才能に殺された男と才能を殺した男。
二人の運命が交錯する。
音楽という芸術は、評価に正解がなく曖昧。
究極、好まれるか好まれないかで決まる。
時代に愛され大衆受けをする音楽。
時代より先を行き大衆には理解されない音楽。
どちらが天才でどちらが幸せか。
記録より記憶に残る音楽は生き続ける。
それとは反対に時が経つにつれ忘れ去られる音楽がある。
確かに人は平等ではない。
だが、天はニ物を与えたりもしないのだ。
もし、人間に嫉妬という感情がなければ凡才であることが天才になったかもしれない。
もし、才能におぼれ謙虚さを忘れなければ天才で居続けられたかもしれない。
神からすればそれが平等だとでも言いたいのだろうか
と、表情がコロコロ変わる神父側にいつの間にか座っていた。
圧巻の音楽映画。
それだけじゃない人間ドラマ。
大げさなドレスとデカすぎる帽子にドン引きしながらも彩られた世界に魅了される。
脳みそに沁み渡るオベラの歌声。
モーツァルトの甲高い笑い声は真似したくなる威力。
愛した音楽と愛された音楽。
人間くさい憎悪と愛で満ちている。
それこそが人生。
これこそが映画。
本物の傑作を見ると人は言葉を失う。
だから記事もこれが限界です....
ちぶ~的斬新ざんす度5
いちいちびっくりする強烈なファッション。音楽はいう間でもなく素晴らしいがこのファッションに込められた感情もどうか堪能していただきたい。ちなみにハロウィンはこの映画を参考にすると絶対に一番注目を浴びれます!