みんなGWはお出かけ。
私は仙台に行くくらい。
妹は東京に行くし、友達も遠出のご様子。
いとこは、海外に旅行に行くかもしれない。
あぁ、お金がほしい。
みんながうらやましい。
絶対お金貯めて、年末くらいには遠出するぞ。
それまでは、みんなをうらやましがっておこう。
こちらの本物のうらめしやは、化けて出る「東海道四谷怪談」。
解説は....
民谷伊右衛門は、仲を裂こうとする恋人・岩の父親を秘密裏に殺し、彼女と共に江戸へ逃げた。その後、伊藤家の一人娘を助けたことから、伊右衛門に婿入りの話が出て、たちまち彼は岩を疎んじ始める。伊右衛門は薬と称して、岩に毒薬を飲ませるが……。「四谷怪談」の最高峰と言われる作品。
ひんやりと背筋が冷たくなる。
風鈴がゆっくりと鳴る。
肌をなでるような風が吹く。
本物の怪談がここにある。
欲に駆られた男。
一途で純粋なあまりすべてを失う女。
本当に怖いのは何なのか。
お岩さんが体を張って教えてくれます。
チャラ男。
どの時代もこんな男が転がっている。
金と地位や名誉を手に入れ、なんでも自分の思い通りにするためには手段を選ばない。
欲望に駆られた愚かな心を映し出しているように、伊右衛門のバッグが真っ赤に染まる。
堕ちていく男たち。
男たちに従うしかない哀れな女たち。
時代が怪談をつくる。
外見も心も美しかったお岩さん。
伊右衛門と出会ったばっかりに悲劇に覆われていく。
与えられた毒は伊右衛門の汚い欲望のよう。
浸食されるお岩さん。
あまりにも美しすぎるものは、神に近いが対極の悪にも近づいてしまう。
うらめしや~という悲しくも怖ろしい声は、あの音と共に蛇のように絡みついて離れない。
死んでも死にきれない伊右衛門への深い恨み。
子供のことを想って死んでしまったことへの悔い。
そりゃ、化けて出るわ。
当然すぎて応援したわ。
今までの秘めていたものを晴らすかのような連続攻撃。
天井から池から、変身の術も使ってあらゆる方向から出る。
戸板返しの幽霊二重構造。
表も裏も。
両面A面対応。
ただ死ぬよりも怖いものがある。
底なし沼のように真っ赤な憎悪が伊右衛門を捕えていく。
映像のすべてが怪奇。
哀しいくらいに美しい。
こわ~いこわ~い。
謝っても時すでに遅し。
男性諸君。
女性に恨みをかうことしてませんか。
胸に手を当ててみよう。
この世で一番怖いのは女の恨み。
女は、死んでもその恨みは消えません。
死んでも女はその恨みを忘れないでしょう。
晴らすまでは、終わらせない。
夏の暑い夜。
ふと冷たい空気がつつむ。
怨めしや~。
あなたの背後にもお岩さん....
来るかもしれないよ。
ちぶ~的ナイス怪談度5
稲川淳二の怪談ってコメディだったよ!冒頭の語りからゾクゾク!お岩さんの造形にワクワク!日本の怪奇映画の大傑作!!!