わからん。
わかることの方が少ない。
っていうかない。
宇宙人より得体の知れないことがある。
海より深い疑問がある。
解けない謎は放っておこう。
さわらぬバカにたたりなし。
こんな日は透き通った海を、ただぼ~っと眺めるなんてシャレたことがしたいもんだ。
「SOMEWHERE」みたいに。ゆっくり流れる時間が欲しいんです。
あらすじは...
ロサンゼルスのホテルで派手な暮らしを送るハリウッド・スターのジョニー・マルコ(スティーヴン・ドーフ)だが、別れた妻のもとで暮らしていた11歳の娘クレオ(エル・ファニング)をしばらくの間、預かることになる。騒々しい日常は一転、クレオとの楽しく穏やかな日々が過ぎていく。そして、再び離れ離れになる日が訪れるが……。
どんなにお金をもっていても名声を得ていても日常は地味だ。
見た目が派手でも中身はそうでもなかったりする。
現実はそんなに単純ではない。
正解も不正解もない。
ゆったりとした時間の中でじわじわ気づいていく無意味さ。
退屈な傑作。
そんな言葉が似合う。
ゆっくりとした時間が流れ、大きな展開があるわけでもない。
印象的なセリフがあったり、派手な演出があったりするわけでもない。
それなのに、最後にはどっぷりセンチメンタルジャーニーの気分。
不思議な雰囲気が余韻を残す。
映像が音楽が感情として押し寄せる。
ソフィアのセンスは芸術的。
繊細でさわやか。
静けさが心をあらう。
お金があっても名声があっても女がいても常に心は満たされないジョニー。
自分のかわいい子供ですらそれを埋めることはできない。
どうしようもない。
そんな行き場のない心はどこへ向かうのか。
人間は欲は満たされれば満足するわけではない。
感情はそんなに簡単ではないのだ。
幸せなはずなのにわからない。
浮遊する自分。
行き場を失った想い。
彷徨う心。
ラストの映像が果てしない虚無感でいっぱいになる。
この映画のブルーは、海のように淡くて寂しい。
そしてリピートしたくなるのだ。
ちぶ~的ナメてる度5
金持ちの道楽ってこのことか。貧乏人にはわからん悩み。嫌味くさくないのが救い。ソフィアらしい題材。