「たかが世界の終わり」という映画を見終わって、私は嫌いだと思った。
みんなが絶賛してたのに。
なんでなのか最初は分からなかった。
だけど、見終わってから何日か経って分かってきた。
そうだ、この映画は私と父に似ていると。
主人公はある理由があって12年ぶりに帰郷する。
死期が迫っているという告白をしたくて。
家族は迎え入れるが、どんどん険悪になる...
※ここからは私の話と混ぜて書きますが、ややネタバレかもしれませんので何も知りたくない方は読まないでください。
思えば、私もこの主人公と同じくらい父と会ってない。
きっと、もう会うことはない。
たとえ、死期が近づいていたとしても....
家族って終わりがない関係のように見える。
だけど、終わりがある場合もある。
それを私は十分わかっている。
それがどんなに愚かで罪深いことだとしても、私は父に会うことはないし関わりを持つことはない。
恨んでいるからではない。
むしろ、恨んでいる方が愛情があるのではないだろうか。
私の中で父と自分の関係は家を出たあの日から終わっているのだ。
きっと、その後も父と一緒に暮らしていた母と妹の方が私よりも長く苦しんだかもしれない。
だから自分がかわいそうだなんて思っていない。
むしろ、自分は家族の中で一番冷酷なんだと思う。
父に対する感情は一切ない。
だからこの映画の主人公に腹が立った。
今更何をしにきたんだ!
と、兄のアントワーヌのように。
自分だったら絶対に帰ったりしないから。
許しを求めたり、許しを求められるようなことをすること自体、権利がないはずだ。
無関心という罪。
執着がないという冷たさ。
私はすべて分かった上で、すべて受け入れている。
それが償うということなんじゃないかって勝手に思っている。
親子なんだからとか家族なんだから全部許せるなんていうのは現実では難しい。
むしろ、だからこそ一生分かり合えない部分があるんじゃないだろうか。
こうやってここで吐き出しても...
この映画の不快さは消えない。
だけど、自分の本音をここに記せたのはよかったかも。
誰もが持っている罪...
抱えて生きていくのも責任の取り方だと思います。
※内容がヘビーになってしまってすみません!私の中では大したことではないので聞き流してください(笑)
ちぶ~的終わり度5
ラストはなんとも言えない気持ちに...ヴァンサンは名演でしたね!彼の力が作品を加速させてました。