普段、電車で優先席ってあまり意識しないで座っている。
この前、電車に乗っていたら車いすの人が来て優先席に座っていた人が速攻で立ち上がって席を譲った。
それが普通にできるのが当たり前だけど、できない人もいるだろうなぁと思ったり。
「おそいひと」を見て、何が普通なのか何が普通じゃないのか....
ちょっと考えてしまいましたねぇ。
作品情報障害者が殺人鬼というプロット。
演じている住田さんは実際に重度の身障者。
日本では受け入れられず公開がどうやら遅くなったようだ。
それくらい衝撃的な内容なのかもしれない。
でも、私は思う。
障害者だって人間だということを。
大概、映画やドラマに出てくる障害者は善人だ。
それは、むしろ不自然すぎて差別のように感じるときもある。
主人公である住田のように、酒を飲みスケベでロクでもない奴だっているはずだ。
美しさばかりを前面に描き、本質を描くことを恐れているのだと思う。
が、この作品は真逆だ。
確かに映画なので極端すぎるけれど...
障害によって奪われた自由。
そんなぶつけようのない怒りが邪悪な心へ変貌するということは、あり得ることだと思う。
だって障害者だって人間だから。
みんながみんな清らかな心で生きていけるわけではない。
それは、障害者じゃない人だって一緒だ。
ただ、理由が違うというだけ。
カメラワークや効果音には大きなこだわりを感じる。
着眼点は、かなり過激だがこういうことをできる人が日本に一人くらいいなければならないとも思う。
ラストに漂う虚しさは切なくて切なくやりきれない。
色んなことを考えさせる作品であることは間違いない。
ショッキングな設定というだけではなく、作品としてももっと受け入れられてもいいと私は思うのでした。
ちぶ~的おそい度5
タイトルがうまい。遅い、襲い....なるほど~と見終わってもずっとかんがえてしまいました。