私は、結婚してから思うんですが。
結婚する前も、した後も寂しいと思わなかったんですよね。
今までありがとうみたいなしんみりした感じもなく。
ま、行ってくるわ的な感じで嫁入りしたという....
だから、映画でそういうのを見ると「そうなんだぁ」と思ってしまう。
「秋刀魚の味」は、見ただけでも相当寂しくなりました。
言ってしまえば、「秋日和」は嫁入り前後の母と娘の話。
で、この「秋刀魚の味」は父と娘の話である。
2回目の小津映画。
みんな真正面を見てセリフを言い、どこか棒読み。
慣れてくると、そのほうが長いセリフを読み取るのにちょうどよくなってくる。
が、少々眠気を誘うところが難である。
キャスト陣は、ほぼ「秋日和」と同じ。
また、おっさん3人組が飲みながら話す。
いつもながらゲスい。
似たようなことをしているようなんだけど、「秋日和」とまったく違ったのは"父親"と"母親"の違いなんだろう。
母、強しとよく言うがその通りではないか。
こんな時、男親というのは弱い。
この時代だからということもあるだろうが、家事も自分ではできず娘に頼りっきり。
実は、自立できていないのは父親のほうだったりする。
亡くなった自分の妻の面影を求めて飲みに行く姿など痛々しくて見ていられない。
男って本当に弱い。
父親の背中ってこんなに小さいのかと思ってしまうのだ。
あのラストシーンと「秋日和」のラストシーン。
同じようで全然違う。
そういう見方も面白いんじゃないかと思うんです。
ちぶ~的ほろ苦度5
なぜ、タイトルが秋刀魚の味なのかを考えた。身はおいしいけれど、ちょっと端を食べてしまうと苦い部分があるからとか?特に意味はないようだけど考えると面白い!