これからの人生はどうなっていくのか。
と、不安に思う時って生きていればありますよね。
私はそんな時は、どうしようもできないので放っておきます。
考えても答えがないから。
流れに身を任せるしかないと思うんですよね。
でもこの映画は、流れるにも流せる場所もない…
そんな映画でございました。
あー。
また、嫌なものを見てしまった。
そんな気持ちにさせるのは、キム・ギドク監督の得意技である。
1970年代の韓国。
戦争や差別、アメリカへの不満等々。
窮屈な世界で生きなければならない若者たち。
手紙はいつも受取人不明。
それは、努力や正論ではどうしようもできない。
誰にも受け入れてもらえない痛々しい悲しみと似ている。
希望など見ることさえ否定されるような環境。
もはや生きていて希望ってあるのかと思うくらいのどん底。
それでも、必死に小さくてもいいから幸せをつかみ取ろうとする若者たち。
きれいごとの物語みたいに、無償の愛はない。
何かを得るには何かを犠牲にしなければならない。
愛は、いつも素直じゃなくて屈折しているから気づけない。
淡々と冷たく広がっていく不幸....
もはや、あれは不幸の手紙でしょう。
絶対に受け取りたくはない....
と、最後までキム・ギドク監督の絶望に酔うしかありませんでした。
ちぶ~的不幸少女度5
あの髪型もそうだけれど、うつろな瞳がさらに不幸度を増す。うすいさちよに負けないくらいの不幸っぷりに愕然としました。