私の仕事は誰からも感謝されないに等しい。
たとえ、こちらがうまくやったとしてもお客さんにとっては当然のこと。
むしろ、クレームをもらいやすい仕事。
努力しても報われないことがほとんどだ。
私の仕事はスポットライトを浴びることなど一切ない。
ストレスは溜まるばかり。
そんなときは、リフレッシュ休暇を取って映画を見る。
それが最高の薬なのだ。
日本は宗教に執着しない国である。
教会に通っていると聞くと、私はオウム真理教を連想してしまう。
教会というのは、所詮人間の集まる場所であり神がいる場所ではない。
だから、私は神を信じているが宗教は信じていない。
もっとも、それは私個人の持論にすぎないが。
そんな日本人がこの作品を見てどこまで感情移入できるかは難しい。
文化の違いがあるからだ。
それでもこの作品は、衝撃的だった。
神に仕える神父たちにより虐待行為の数々。
組織ぐるみの教会の悪。
これが実話だなんて信じられない...
映画は、アカデミー賞を獲ったとは思えないくらい地味である。
キャストは豪華なはずなのに、誰もが誰かの邪魔をしない演技。
この映画のキャラたちと一緒でチームプレイなのだ。
全員が主役で全員が脇役。
全員の演技が素晴らしかった。
真相を暴くため、事件にまっすぐ向き合う。
事実を突き止めようとする記者たちの姿。
本当に暴かなければいけない真実は暗い闇に埋もれているという恐怖。
信仰という希望を取り上げた悪魔の遣いたち。
マーク・ラファロのセリフが心を打つ。
今日もまたどこかで....
こんなことがあってもいいのか。
終わりのない闇に震えた。
堅実な傑作。
これは、見て、知らなければならない作品です。
ちぶ~的スポット度5
このネタを記事にしようとした記者たちの志に感動。とにかく渋いかっこよさに震えます。