ホラー映画さえあれば!ちぶ〜のイラスト付きレビュー

映画漬けのちぶ〜が、映画を観たら例えつまんなくても!イラスト付きで映画レビュー(ホラー寄り)をアップしてます!週末はホラー特化ブログやドラマ関連の記事も!

夕焼けって儚いじゃん?「東京暮色」

「東京暮色」




私の地元は夕焼けが有名な海の近く。

 

家の近くにあるとありがたみはないんだけど、落ち込んでいるときはよく黄昏に行ったものだ。

 

オレンジ色に浮かぶ夕日が自分のブルーな心を少しは明るくしてくれる気がして。

 

でも、最後はなんだか切なくなる。

 

それが夕焼け。

 

でも、「東京暮色」はかなりの夕焼け具合に私も一緒に沈みそうでした...

 

 

本で紹介されていた、絶望シネマ。

 

いや、でもあの小津安二郎監督作品でしょう。

 

と、なめきっていた。

 

だって、私はこの作品が初小津。

 

勝手に小津監督はホームドラマの名手だと思っていたのだ。

 

いや、ホームドラマであることには違いないんだけど...

 

これ、怖すぎやしませんか。

 

ホラーは"家族"にもあるのですね。

 

 

 

自分が誰かの親になるとき、人は自分を余計に知りたくなるのかもしれない。

 

自分の存在意義。

 

自分の元はどこなのか。

 

そして、思う。

 

一体、私はなんのために生まれてきたんだろうと。

 

今まで信じてきた"理由"や"成り立ち"が揺らいだとき、一気に不信に陥る。

 

この家族は誰もがやや不幸顔である。

 

しかも幸せを装っている感じが不気味。

 

微笑みの影に苦労がチラリ。

 

何でもかんでもはっきり言ってしまう私にとって、こんな家族は地獄だ。

 

そう考えると、本当に言葉って大事だ。

 

例え家族でも会話がなければ成り立たないものの方が多い。

 

以心伝心って超能力者と宇宙人だけが確実にできる技なんだから。

 

「ハッキリいいなさいよ!」と、終始叫びたくなってウズウズした。

 

それができないのは人間の不器用さの成せる業か。

 

そこらへんのホラーを見るよりもずっと怖い。

 

最近見たバッドエンドのサスペンスより後味が悪い。

 

小津監督流ホラーはここにあり。

 

そして、私はこういう映画の方がやっぱり面白いです。

 

 

 

 

ちぶ~的緊迫度5

息が詰まるレベル。やだ、こんな娘。父ちゃんが居た堪れない....誰が悪いともいえないから余計につらい。