『本当にありそうな怖い話。』
美しい夫婦のラブストーリーって思ったら違った。
黒沢清監督の映画なんだから、普通の訳がない。
いきなり帰ってきた夫。
そんな夫を受け入れて、一緒に旅をする妻。
夫婦とは何なのか。
正解のない答えと生きるということの怖さが、美しく描かれていた。
ゾワゾワっとする切ない人間ドラマがきちんとある。
人間という生き物の愚かさと儚さが、この世界では冷たくてどこか寂しい。
現実でも非現実的でもない場所で、妻は初めて真実と向き合う。
愛する人を失う怖さに怯えながら、夫を手放すことができない。
その切なさが、とっても綺麗だ。
夫婦というのは不思議だ。
赤の他人でもない。
血縁者でもない。
法律と感情だけで繋がれている関係。
愛したり、憎んだり、拒絶したり、受け入れたり...
常に同じ形ではない、必然的な存在。
ファンタジー調ではあるが、そんな夫婦のいびつな愛を黒沢色で描かれていたと思う。
こういう映画を見るといつも思うけれど....
大切な人が毎日隣にいることは、当り前ではないということに気づかされますね。
ちぶ~的ホラー度5
本当に怖かったのは元愛人?(蒼井優)との会話です(笑)女ってカッコ悪い生き物なんですよね。
本日紹介した映画は...
岸辺の旅 (2015)
- 監督 黒沢清
あらすじは...
3年間行方不明となっていた夫の優介(浅野忠信)がある日ふいに帰ってきて、妻の瑞希(深津絵里)を旅に誘う。それは優介が失踪してから帰宅するまでに関わってきた人々を訪ねる旅で、空白の3年間をたどるように旅を続けるうちに、瑞希は彼への深い愛を再確認していく。やがて優介が突然姿を現した理由、そして彼が瑞希に伝えたかったことが明らかになり……。
(Yahoo!映画より引用)