悪質な転売屋はさっさと捕まってほしい。
⭐️作品情報※Filmarks引用
🎞️鑑賞媒体:TOHOシネマズ秋田
Cloud クラウド(2024)
上映日:2024年09月27日
製作国:日本
上映時間:123分
キャスト
菅田将暉 役名:吉井良介
古川琴音 役名:秋子
奥平大兼 役名:佐野
岡山天音 役名:三宅
赤堀雅秋 役名:殿山宗一
吉岡睦雄 役名:矢部
三河悠冴 役名:井上
山田真歩 役名:千鶴
矢柴俊博 役名:北条
森下能幸 役名:室田
千葉哲也 役名:猟師
松重豊
荒川良々 役名:滝本
窪田正孝 役名:村岡
⭐️ちぶ〜的評価
⭐️ちぶ〜的おぼろげなあらすじ…
⭐️予告編
⭐️最後はこうなる!※ネタバレあり
〜結末のポイント!〜
〜結末の詳細〜
〜考察してみた!〜
日本であんな銃撃戦を繰り広げられる訳がないので、その時点で銃撃戦は転売屋のループしたお金への執着を表現しているように感じた。
後半はアクション映画になっていると言っている人もいたが、そこまでしてあれを描きたかったのは絶対に意味があると感じる。
誰かを追いかけても、また新たな敵がやってくる。
例え、殺しても環境や人が変わればまた同じ状況になる。
人間は、そうそう変わらない。
本質はなかなか変わらないから厄介なのだ。
だけど、人は慣れる。
最初は恐れていても、手こずっていても、順応してしまう。
これは、吉井がだんだん恐怖よりも相手を撃ち殺すことに集中していく様子と似ている。
救世主のように見える奥平大兼演じた佐野は、「救い」ではなく「地獄への導者」ではないか。
ラストに「もっと稼ぎましょう」というセリフがある。
それは、もう抜けられない金儲けの沼に更に引きずり込ませようとする悪魔の囁きだ。
最後に吉井は、気づいてしまったのだ。
自分はもう地獄の入り口を開けてしまっていることに。
原価の何十倍もの値段をつけて、売れれば自分はなんの苦労もせずに大金が入る。
その快感はクセになって、忘れられない。
もっと、もっと稼ぎたいと思ってしまう。
本当はそこまでお金に執着していた訳でも、使い道がある訳でもないのに...
タイトルのクラウドは、雲を掴んで金に変える愚か者を指している気がする。
正直、期待していたほど面白くはなかったが考察してみていくと隅々まで構成が作り込まれていてさすが黒沢清だとは思う。
ただ、万人受けはしないだろうし表面だけ観たらよくわからない映画を観せられた気分になるだろう。
私は、前半のオカルト映画っぽい描写が一番好きだった。
あの不穏さは、きっと転売に取り憑かれた吉井の罪悪感だったんだろうと思う。
どうせなら、そのまま幽霊の話にして欲しかった気がしないでもないw
⭐️奥平大兼が最高でした!※ネタバレなし
今回の大きな収穫といえば、奥平大兼でしょう。
彼は、いつもパッとしないけど何かかしら傷跡を残すタイプ。
今回は、派手さもあって期待以上の活躍でした。
なんなら彼のスピンオフを作ってもいいんじゃないと思うくらいですw
イケメンでもなく、脇役顔って訳でもない丁度良さは今後監督たちに重宝されるに違いありません!
他のキャストは、実力派俳優ばかりでいつも通りって感じでした。
個人的には、松重豊をもう少し観たかったですw
転売屋が主人公の話って意外とないかもしれませんが、よく考えたらとんでもない仕事です。
直接的に転売屋を規制する法律はありません。
チケット転売規制法というのはありますが...
明らかに、原価よりも何十倍もの値段で売りつけるというのは道徳にも反してますし規制してほしいなって思います。
そもそも正規の値段からかけ離れすぎるのは道徳違反ですから。
生産者側も購入者側にとっても、メリットはありません。
そんなことを考えながら見ると、見応えはあるのではないでしょうか。
黒沢清監督作品なので、メッセージを自分で解読できなければつまらない映画になるかもしれませんが...
少なくとも私は、考える映画が好きなので勉強になりましたねw