やられる。
毎日のようにお局の機嫌をとるなんて、そんなことはごめんだ。
気に入られる気はない。
気にしたくもない。
それでもまだ新人だから、仕事を教えてもらわないといけない苦痛。
しかも隣の席.....
朝、顔を見ただけでがっかりする。
エロ映画を見たときにエロが大したことなかった時と同じように。
お局大気汚染問題。
いるだけで環境破壊。
プラスチックは燃やしていないが、私の腹の中は煮えたぎっている。
そして、いつか倒してやるという闘志を燃やす。
「ロッキー」のように何度倒れても負けるものか。
解説.....
無敵の黒人ボクサー、アポロが人気取りのため、格下の相手と闘うことを宣言した。チャンピオンに挑戦するチャンスを与えることで、アメリカン・ドリームを体現しようというのだ。アポロのマネージャーたちは、選ばれたロッキーがサウスポーなのを気にかけ相手を変えるように忠告するがアポロは無視。かくして薄汚れた下町の中、ロッキーのトレーニングが始まる……。
シルヴェスター・スタローンの原点。
今まで見てなくてごめんない。
この作品を見ないでスタローンを評価していた自分。
ただの筋肉馬鹿だと思っていた。
ただのバカは私であった。
「ロッキー」
ここにはスタローン誕生がある。
ロッキーが生きている。
私の知らなかったスタローン。
皆が愛す理由、ここにあり。
DVD貸してくれた友人、ありがとう。
君は、天使なんじゃないか。
この作品を見るまで知らなかった。
スタローンの歴史を。
まさに「ロッキー」は、自伝的映画だ。
俳優という職業にはハンデになってしまう、言語障害。
そこを補うために、体でカバーする独自の表現力。
崩れた容姿のせいでいじめられていたコンプレックスは、「ロッキー」が絶対あきらめないところにぶつけられている。
ハッキリ言って、セリフはずっと同じ調子。
語尾も同じ。
表情だって豊かとは言い難い。
でも、なぜだ。
あの声はクセになる。
見れば見るほど、ロッキーの味が出る。
演技ってなんだ。
うまけりゃいいわけじゃない。
人間の心を揺さぶるものは、完璧さじゃない。
むしろ、不完全さ。
ロッキーを演じているのではない。
ロッキーだ、このスタローンは。
当時の二人が重なる。
堕ちても落ちてもいつかは這い上がれるとどこかで信じている魂。
誰かに愛され、必要とされることで強くなる男。
「エクスペンダブルス」シリーズで見せる熱さ、温かさ、大きさはこの時からある。
「ロッキー5」まで見る人の気がしれないと思っていた私。
「ロッキー」みたら、絶対見る全作品。
肉屋にも行くと思うわけ。
この映画はジャンル分け出来ない。
「ロッキー」の人生だから。
人生は区分できない。
アクションあり、ドラマあり、恋愛あり。
すべてがあっての「ロッキー」
アクションで言えば、ラストのファイトシーンは試合観戦をしているかのような気分に陥る。
それほどリアル。
ドラマで言えば、当時の黒人への優遇措置・逆差別などでプアーホワイト(白人貧困層)の不満が象徴的に描かれている。
恋愛はもちろん、エイドリア~ンである。
まさかのキスシーンでグッと心を掴まれた私は、年をとったんでしょう。
人は何のために戦うのか。
どうして戦うのか。
名誉か、それともお金か。
本当の勝者はそんなものに固執しない。
いつだって誰かのために生きている。
人は誰かのおかげで生きている。
一人では生きていけない。
生きていないのだ。
ラストのエイドリア~ンとの熱い抱擁を交わすシーン。
止まる結末。
それは最高到達地点。
静止した二人に、当分は酔っていたい。
次の戦いのために。
ちぶ~的アメリカンドリーム度5
この映画でスタローンも一気にスターへ。兄貴、5までついていきまっせ!