"純粋"というものに勝てるものってありますか。
ございません。
素直で従順な人は、騙されることはあっても騙すことはない。
結果、絶対に愛される人である。
年をとれば、そんなものはどんどん濁っていく。
経験という知識は人を賢くするけど、ずるくもするのだ。
見せかけの純粋さなんて脆いからするバレる。
「CURE キュア」の萩原聖人みたいな奴が現れたら、一発でヤラれますね。
以前、DVDで鑑賞したこの作品。
(前回の記事はコレ→「CURE キュア」 )
多分、黒沢清監督作品ではベスト。
得体の知れない恐怖。
正体のわからない男。
やっぱり最後まで見ても分からない。
2回目なのに....
まだ考えている。
終わりなき憎悪の果て。
見つからない答えを追いかけたくなる。
だからこそ傑作なんです。
あれ。
前回、この映画の記事を書いたときにある程度自分の中で答えを見つけていると思っていた。
が、読み返したら何も分かっていない。
まぁ、今回も見たら余計分からなくなったんだけど....
人間の心の中に潜む闇。
それは自分の理性で鍵をかけてしまいこんでいる。
それを解放するべきではないと分かっているから。
体裁を気にして、自分の価値を下げたくないとどこかで思っている。
人間としての誇りを失ったら、すぐにでも悪魔になりうる。
そんな危うさを本当は誰もが持っているのかもしれない。
萩原聖人がイラつかせる。
もう、叫びたくなるくらいに。
上りたくないところまで追い込んでくる。
まるで、そのあとの崩壊を楽しむかのように...
導いていくのだ。
誰が死んだのか。
誰が生きているのか。
もはやそんなことは見当もつかない。
ただ、言えるのは人間の中の純粋な「悪」はどこにでもあるということ。
普段、そう見えないのは邪悪で狡猾だからということ。
同じことを2回問われる。
同じことを2回される。
一度あることは二度ある....
やっぱり、怖い。
やっぱり分からない。
2回見ても....
やだ、また洗濯機の音が怖くなっちゃったよ....
ちぶ~的キョワイ!度5
2回目なのに、普通に怖い。二回目なのに、肝心なところを忘れている。きっと忘れたかったのかもしれない....意外とグロいシーンはよくできている。これ以上の傑作を黒沢さんが出せていないのが残念である。