どこまでがブラックジョークで済んで、どこからが皮肉になってしまうのか。
目上の人と話すときにそのボーダーラインが分からなくて困る。
そもそもそんなスレスレの会話をしなければいいのだが、なぜか挑戦したくなる。
どちらにせよ、何を言われても動じない人が人としてできていることは間違いない。
会話に少しでも笑いがなければつまらないじゃないか。
と、日ごろ思っている私は冗談が通じない人は本当に面倒くさいと思う。
えらそうにしている奴ほど、ジョークが分からないのだから厄介だ。
「鬼畜」は、厄介な出来事が地獄に変わっていく...
見終わった後の疲労....
なめていた。
本当はホラーより怖い映画ランキングというのがある雑誌に載っていた。
この「鬼畜」は、何人かの映画評論家のランキングで入っていたので妙に気になったのである。
でも、大したことないだろう。
と、鷹をくくっていた。
だって、私ホラー慣れしてるし。
という、油断...
参った。
参ってこの後味の悪さを母に愚痴るほど。(当たり前のことながら相当な勢いで嫌がられた)
だから聞いてください、私の話を。
この処理できない恐怖。
確かに、これは「鬼畜」であった。
鬼畜。
それは、人を人とも思わないような残酷な行為のことを指す。
気の弱い男が引き起こした悲劇。
最初は怒っていた。
この男に。
本妻がいるにも関わらず3人も隠し子をつくるなんてと。
だが、そういうことだけでは済まなかったのである。
この地獄を引き起こした男、宗吉を演じた緒形拳は、この役をやるのを相当渋ったと言う。
私的には、絶対に志麻姐さんの役の方がひどいと思う。(妻、お梅役)
が、志麻姐さんがこの役を渋らなかったらしい。
さすがだぜ、姐さん...
本当にとことん鬼畜であった。
逆DVのような追い込まれ感。
女に弱みを完全に握られた男は自分さえ見失う。
大人に翻弄される子供たちはただの被害者である。
誰もが無責任で誰もが自分勝手。
それでも母性や父性は本能に備わっているはずなのに...
私は志麻姐さんにはなれない...
子供は子供である。
誰の子供であっても。
私だったら愛人の子供よりも愛人をつくり子供までつくった旦那の方が憎い。
むしろ、旦那を捨てて子供たちと一緒に家を出ていくかもしれない。
だから、全くもって共感できなかったのだ。
そこが非常に怖かったのだ。
実際にあったらしい事件を基にして原作がつくられたらしい。
本当にこういう出来事が世の中には存在するということが信じがたい。
いや、信じたくない。
確かに、現代ではこういう事件がざらにありそうだけど。
昔だってこういうことはあったのだ。
貧しさが理性を殺す。
そして。
劇中はずっと夏なのだ。
こっちは冬だというのに見ているだけで苦しい熱さ。
じりじりと熱さにさえも味方されない歪んだ心がさらに悪化していくようで不気味であった。
なんということか。
ラストなんて泣くしかないじゃないか。
憎しみと悲しみと....
それでも愛されたいという寂しさに嗚咽する。
これが本当の「鬼畜」。
ホラーなんて鬼畜じゃなかったわ。
あぁ、まだ引きずっています...
ちぶ~的志麻度5
ちょ!姐さん、すごすぎるやろ!極道の女よりもすごい迫力だったわ...途中、角が生えていたと思います。
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