
映画「ゆきてかへらぬ」をAmazonのprime videoで鑑賞したのでネタバレありの感想と考察をお送りします!
映画「ゆきてかへらぬ」は、実在した女優・長谷川泰子を巡る天才詩人・中原中也、文芸評論家・小林秀雄とのドロドロな三角関係を描いた作品。
原作は、長谷川泰子著の自伝「中原中也との愛 ゆきてかへらぬ」。
「ゆきてかへらぬ」とは、文字通り 「去ってしまい、もう戻らない」 という意味。
単なる恋愛映画ではなく、 昭和初期の日本文学界を生きた人々の物語でセリフがかなり詩的で難解。
二人の男に愛された女・長谷川泰子の奔放っぷりと不自然に早すぎる展開に戸惑う...
文芸作品に疎い私が簡単に解読して、率直な感想をお伝えしたいと思いますw
- 映画「ゆきてかへらぬ」の評価
- 映画「ゆきてかへらぬ」あらすじ&概要
- 映画「ゆきてかへらぬ」キャスト&登場人物
- 映画「ゆきてかへらぬ」ネタバレ考察&感想:原作の自伝と映画の相違点から見えてくる違和感と結末!
- 映画「ゆきてかへらぬ」ネタバレなし感想&まとめ:理解し難い?芸術家たちのハイレベルな恋愛とドロドロな三角関係!

映画「ゆきてかへらぬ」の評価
ちぶ〜的評価は…
🐽🐽2ブヒ(お困りちぶ〜)です!!
総評:「才能には劇的な恋愛が必要?」
・ストーリー:⭐⭐☆☆☆
• 演技:⭐⭐⭐☆☆
・メロ度:⭐⭐⭐⭐️☆
世間の評価は...
・Filmarks ⭐️(3.5/5.0) レビュー数:2207件
※現時点
~みんなのレビューをまとめてみた!~
●『人間失格』や『蜜のあわれ』などの作風が好きな人になら合うかも!
●劇場で観たほうが、映画独自の空気感や没入感をより強く味わうことができる!
●鬱々とした雰囲気が漂う中、独特の世界観と映像美が際立つ作品で全体に映画愛が感じられるが...共感できるかどうかは人による?
文芸作品に疎い人はやっぱり合わないと思う。
でも、文芸作品好きにはたまらないものがあるのかも。
大正時代の恋愛はハイカラで、セリフもいちいちおしゃれ。
現代の会話がいかに子供っぽいか分かるw
本当に観る人の好みで作品の評価が分かれる作品だと思う。
キャスティングは、正直ほかのメンツで観たかった気がする。
映画「ゆきてかへらぬ」あらすじ&概要
\映画「ゆきてかへらぬ」の予告編はこちら/
映画の内容!
身を焦がすほどの想いを貫き、狂おしいまでに生きたひとりの女と、ふたりの男たち。彼らの二度と戻ることのできない、リアルな時間を描く。
映画「ゆきてかへらぬ」キャスト&登場人物
広瀬すず |役名:長谷川泰子
現代劇よりも向いてるのかもしれない。
昔の女優のようなハッキリとした顔立ちは、映画にも映える。
相変わらず、大胆なシーンはあるけど決して脱がない。
だけど、艶っぽさがあって男子達を狂わすっていうのは説得力がある。
舞台のような演技も作品には合っていた。
同性にはあまりウケない感じもある意味正解かも。
個人的にはいつも普通だなって思うけどねw
木戸大聖 |役名:中原中也
どうも広瀬すずと並ぶと子供っぽくて…
私が好きな「先生!口裂け女です!」のタケシだったことに、見終わってから気づいたw
ただ、後半の変貌ぶりは素晴らしくて印象を残す。
しかも、ご本人と顔立ちがそっくり!
今回は他のキャストが素晴らしく、食われてしまった感じがあってそこだけは残念。
👍木戸大聖主演の「先生!口裂け女です!」がおすすめ!
岡田将生 |役名:小林秀雄
偏屈で面倒臭そうな男の役がもはや十八番w
終始、冷静沈着で泰子を支える姿は説得力があった。
年々色気が増されている…
マジでいい俳優になったなぁ。
👍色っぽい岡田将生を堪能できる「ゴールド・ボーイ」がおすすめ!
他キャスト
田中俊介 |役名:富永太郎
トータス松本 |役名:鷹野叔
瀧内公美 |役名:長谷川イシ
草刈民代 |役名:スター女優
カトウシンスケ |役名:辰野教授
藤間爽子 |役名:中原孝子
柄本佑 |役名:勤め人
映画「ゆきてかへらぬ」ネタバレ考察&感想:原作の自伝と映画の相違点から見えてくる違和感と結末!
※ネタバレ項目になりますのでご注意を!
原作と映画の相違点を検証
長谷川泰子の自伝「中原中也との愛 ゆきてかへらぬ」は、イコール史実とは言えませんが…
本人から語られた物語は、感情や捉え方に主観が入っているだろうけど事実は一致しているのかも?
そう考えて観ると、映画はきっと時間内に収めるためにかなりタイトになってしまったんだと思う。
分かりやすく、私が感じた違和感から原作を調べて表にしてみたら…⇩
〜原作と映画の相違点〜
| 項目 | 原作(長谷川泰子の自伝) | 映画『ゆきてかへらぬ』 |
|---|---|---|
| 薬物依存の描写 | あり。神経症を患い、モルヒネなどへの依存に陥った過程が語られている。 | 薬物使用の描写はなし。依存を示唆するような描写も極めて限定的。 |
| 精神疾患(神経症)への言及 | 神経症が薬物依存の一因として明記され、精神的な病として描かれている。 | 神経症について言及はあるが、原因には触れず情緒の不安定さや衝動的な行動で表現される。 |
| 結婚の描写 | 詩人・中原中也との事実婚的な関係や葛藤が描かれ、愛憎や自立のテーマと結びついている。 | 結婚という制度には触れられず、曖昧な表現。主に恋愛や性的関係を主軸に三角関係を描いている。 |
| リアリズムの度合い | 具体的な人名や出来事が描かれ、人生の証言としての側面が強い。 | 全体的に詩的な構成で、象徴的な表現が中心で詳細が省かれがち。 |
| 語りの視点 | 自身の言葉で綴られ、「語ることで生を取り戻す」構造になっている。 | 語りはなく、観客が行動や表情、詩的なセリフで読み取る受動的な構成。 |
全体的に抽象的。
セリフの詩的さで、こちらに想像させる構成なので観る側の感性にかかっている。
結婚してたのか?
薬物依存だったのか?
それすら映画を観ただけでは分からない。
もはや、そんな事実はこの三角関係においては必要ではないということなのかも。
私は原作の自伝の内容や、Wikipediaを読んで初めて理解できた部分もあった。
映画は、かなり端折られていて…
しょうがないのだろうけど、知識なしで鑑賞するとあまりにも端的で唐突になってしまった印象は拭えないと思いますね。
三角関係の結末からみる芸術家たちの恋愛
結局、実際に長谷川泰子と中原中也の関係はお互い結婚しても続いていたらしい。
劇中では、交流はあるが男女の関係があったかどうかには触れていない。
私は、そこの深掘りしなければ物語の完結にならないと思うけど...
要するに、中原中也から小林秀雄にのりかえるけれどどちらとも最終的にはうまくいかなかった。
後に、長谷川泰子は別の人と結婚する。(映画では描写なし)
恋愛と結婚は違う。
頼るのと寄りかかるのは違う。
所詮、二人の男に愛されたけれどそれはただの劇的な恋愛に過ぎなかったということ。
安らぎは得ることができない、だけど芸術家として生きていく上で必要な情熱を与えるような恋愛だった。
私は、こういう恋愛が一番厄介で面倒臭いと思う。
本来、長谷川泰子という女性は自立した人間のはず。
でも、女優という芸事には恋愛が必要だったから本能的に引っ張られた。
それは中原中也も小林秀雄も一緒。
3人ともこの恋愛が必要だった。
自分たちの芸術のために。
恋愛はまるで麻薬。
知らなければ得られない快楽と幸福。
一度知ってしまえば、もっと欲しくなる。
自分ではコントロールできない、危うい快感。
愛されることも、誰かを想い続けることも、最初はただ純粋な憧れだったかもしれない。
でも、いったん感情が動き出すと、それは理屈や正しさでは止められない。
それって怖い!
長谷川泰子にとっての中原中也も、小林秀雄も、愛の対象であると同時に、芸術のための「燃料」だった。
愛という名の感情に突き動かされ、自分の中の表現したい!という衝動が活性化する。
その燃えあがる瞬間こそが、彼女にとっての生きる道だった。
だから、結末が破綻でも、報われなくてもかまわなかったのかもしれない。
むしろ、壊れていく愛、叶わない恋の中にしか湧いてこないエネルギーがあったのではないか。
それは中也にも、秀雄にも共通していたこと...
三人は互いに不完全なまま、互いを求め合った。
欲しかったのは永遠ではない。
愛の完成形ではなく、未完成であるがゆえの美しさ、そしてその不安定さが生み出す「創造の瞬間」だったのではないか。
恋愛は、彼らにとって「完成された安心」ではなく、「壊れかけの情熱」。
その危うさこそが、詩を生み、文章を生み、舞台を生んだのかもしれない。
それは、人として幸せというよりも芸術家として必要な愛の終着点だったのかもしれませんね。
映画「ゆきてかへらぬ」ネタバレなし感想&まとめ:理解し難い?芸術家たちのハイレベルな恋愛とドロドロな三角関係!
映画「ゆきてかへらぬ」は、一見するとレベルが高く、感情表現も曖昧で複雑。
人によっては、「理解し難い」と感じる人もいるかもしれません。
けれど、それは登場人物たちがそもそも"普通"の恋愛ではなく、芸術家ゆえの極端な愛のかたちを描いているからでしょう。
普通の人は、こんな詩的なこと言いませんしねw
自立と依存。
情熱と破滅。
美と狂気。
そのすべてが複雑に絡み合うドロドロな三角関係!
まるでその感情がそのまま詩になり、芝居になり、人生になっていくような…
そんな生々しくも美しい時間が流れています。
登場人物たちは、互いにとって「愛すべき人」であると同時に、「作品を生むために必要な存在」でもある。
この関係性は、普通の人の感覚で測ることは難しい。
けれど、彼らの創作の裏にある情熱を知ることで、この作品の世界観が刺さってきます。
理解よりも“感じること”、自分なりに”想像すること”が必要なのでしょうね。
この作品は、そういう種類の映画なのかもしれません。
芸術家たちのハイレベルすぎる恋愛と、ドロドロしながらもどこか気高い三角関係!
私は面倒臭いという感情しか湧きませんが、文芸作品好きの方にはきっと刺さるものがあるはず。
映画「ゆきてかへらぬ」で恋愛中毒にかかりたい人はぜひ観てみてくださいねw
**映画「ゆきてかへらぬ」観るならコレ**
\【Amazonプライムビデオ】は初回30日間お試しで鑑賞できる/
→映画「ゆきてかへらぬ」公式本はこちら
→中原中也の詩集はこちら
\【Kindle Unlimited】は初回30日間お試しで読書できる/
👉 Kindle Unlimitedおすすめポイント!
私も映画・ドラマ関連の書籍を読むために、無料期間中に使い倒しました!
読み放題プランの中には、映画原作やメイキング本、ホラー特集の雑誌も意外と充実していて楽しいですよ👻🎬
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます! ちぶ〜でした!🫰


