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#MeToo運動のきっかけ!性暴力報道を描いた実話映画「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」

#MeToo運動のきっかけ!性暴力報道を描いた実話映画「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」
「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」(She Said)

ただのフェミニスト推し映画じゃなかった!!

 

⭐️作品情報

本日の映画🎞️※Filmarks引用 

鑑賞媒体:Netflix

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022)
She Said
上映日:2023年01月13日

製作国:アメリ

上映時間:135分

監督 マリア・シュラーダー
脚本 レベッカ・レンキェヴィチ
原作 ジョディ・カンター ミーガン・トゥーイー

 

キャスト

キャリー・マリガン
ゾーイ・カザン
パトリシア・クラークソン
アンドレ・ブラウアー
ジェニファー・イーリー
サマンサ・モートン

⭐️ちぶ〜的評価

🐽🐽🐽🐽4ブヒ(セレブちぶ〜)

⭐️ちぶ〜的おぼろげなあらすじ…

ニューヨークタイム紙の女性記者たちがハリウッド界に長年君臨していた映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラや性暴行事件を記事にした裏側を描いた作品。

 

⭐️#MeToo 運動は正義?

もちろん、この事件はハリウッドの映画業界に大きな影響を与えたため全世界中が知ることになった。

今更この作品を見たので、事件についての詳細やハーヴェイ・ワインスタインについて語ることは控える。

そもそも私はこのMeToo運動について、違和感がずっとあった。

確かに、声を上げることは必要だと思う。

一人より二人、二人より三人の方が真実を伝えやすい。

でも、これをわざわざしなければいけない世の中ってなんだろうって思う。

ここまでしなければ本当のことを言えない。

その時点で、本当の意味での性暴行やセクハラは無くならないのではないか。

きっと世の中の男性の中にはこの運動に対して今だに斜め上から見ている輩もいるだろう。

「性暴行をされることで、結局仕事を得られたのは女だったからではないか?」

「女はいいよなぁ、体が武器になるんだから」

そんな声が聞こえてきそうと思うのは私だけ?

真実は、きっともっと複雑だ。

根本的にいつも女性は性的対象として君臨している。

例えば、スポーツ選手がスタイルいい!綺麗!ってニュースで当たり前のように流れる。

ミニスカートで足が綺麗な映像までつけて。

それって必要??

男性のスポーツ選手に対してはそんなことはしないのに。

っていうかそれもしなよw

世の中がいかに男性主導寄りであり男性目線であることがよく分かる。

この映画は、記者がヒーローみたいになっているが...

私はマスコミのあり方にも全く問題はないとは思わない。

広い意味でマスコミにだって罪はあるじゃないかと思うから。

本当のジェンダーレスというのは、意識すらしなくてもいい世の中になることだ。

性対象者が男でも女でもどちらでなくてもいい。

どれかの視点に偏らないことが大切。

自分の価値観を押し付けること、これが一番最悪な差別であり性暴行の入り口になると思う。

完全に個人的な意見なので異論はあると思うけど...

私は結構そこに関してはもやもやしましたね。

⭐️本人出演の意義!

この作品の大胆なところは、やはり本人を出演させているところだ。

実際にあったであろうシーンを本人が演じることで、リアルさと重厚感が出る。

声を上げた女優たちの実名が次々と出てくるところに、映画への挑戦的な姿勢を感じた。

グウィネス・パルトロウのことをやたら気にするワインスタインのセリフもある。

当時、ブラピと付き合っていたグウィネスはワインスタインによるセクハラを相談していたという。

その時、ブラピは彼に対しブチギレてグウィネスが業界から干されることはなかった。

それでもこの事件は彼女の人生に大きな影響を与えたのではないだろうか。

この映画の製作者にブラピが入っているのもハリウッド業界に蔓延っていた性暴行に対して排除しなければならないという強い意志を感じる。

声を上げた人たちが、実名でこの映画に参加したりセリフに出てくるのはそれくらいこの事件に対して怒りや排除しなければいけないという責任感があるからだろうし。

特に、記事に最初に載ったアシュレイ・ジャッドの事件はものすごい悔しくなった。

実力があっても権力に屈しなければいけない世界って...

でも、彼女が今でも映画界で活躍できているのは干されたとしても彼女に実力があったという証拠になる。

チャンスは逃すことになったとしても、実力は嘘をつかない。

彼女の「NO!」と言い続けた芯の強さには感嘆しかないですね。

⭐️映画で思う、社会の姿...

正直、観るまでフェミニストって素晴らしいって言いたいだけの映画だと思ってた...

ところが、見始めたら全然違う!

映画として、スリリングで引き込まれる構成。

女性二人の記者が主軸だけど、「女だから」という描写にくどさは感じなかった。

あくまでも子育てをしながら仕事を一生懸命こなしている一人の人間として「働く人」を誠実に描いていたと思う。

子育てをしながら、こんな仕事をやり遂げたなんて素晴らしい!

という視点だけだったら、私は絶対にハマれなかった。

だって、子供がいない側の人間としてはその視点って罪悪感を感じるから。

子供を産まなくてすみませんって...

子供を産んで子育てをしている人が優遇されるべきだとは、私は思わない。

どんな人間でも平等に対等に仕事ができることがベストだと思う。

それは、この映画の本当に言いたかったことではないか。

偏見や差別、価値観の押し付けで他人を圧迫しない社会。

どんな人もどんな時も自分の選択を自由にできる社会。

そんな社会を目指すべきだし、そうであるべきだから。

そして、それは誰にでもある「権利」である。

ハーヴェイ・ワインスタインが起こした事件は最低で最悪!

だけど、今の社会に大きな疑問を投げかけてくれた必要な事件だったとも言える。

日本の映画業界でもチラホラと性暴行事件が起きている。

映画を出演させる代わりに性的要求をする。

今、令和なのにだよ?

まるで時代劇のような愚行。

権力で誰かの自由や権利を奪うなんて決して許してはいけない。

また、その原因になる差別や偏見のない世の中にしていかなければならない。

今更鑑賞しても遅いかなとは思いましたが...

この作品は何年経っても必要な映画ではないかと思いましたね。

差別、偏見、セクハラ、性暴行は人間として最低な行為です!


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